相続放棄手続き自体は、
亡くなった人の最後の住所を、管轄している家庭裁判所で行います。

つまり、家庭裁判所ならどこでも良い、
というわけではありませんので注意が必要です。

また、簡易裁判所という所もありますが、
家庭裁判所とは違います。

近所に裁判所があるから、そこで相続放棄手続きすればと思う人もいますが、
よく調べてみると、その裁判所は、簡易裁判所だった、
ということもよくあることです。

そのため、まず、亡くなった人の最後の住所を調べて、
その住所地の家庭裁判所が、どこなのかを、
正確に確認しなければなりません。

また、相続放棄手続きに必要な書類としては、

・相続放棄申述書

・相続放棄する人1名につき800円分の収入印紙

・送付のための切手を数枚

・亡くなった人(被相続人)の戸籍謄本等

・亡くなった人(被相続人)の住民票または戸籍の付票

・相続放棄をする人の戸籍謄本と、亡くなった人とのつながりのわかる戸籍

が必要です。

上記の相続放棄手続きに必要な書類を、
亡くなった日から3ヶ月以内で、
すべてそろえて、家庭裁判所に提出する必要があるということになります。

もし、親の相続を放棄する場合には、
親が亡くなった時に、子供が同じ戸籍にいれば、
子供も記載されているので、亡くなった人の戸籍謄本だけで良いです。

ただ、結婚して別の戸籍にいる場合には、
亡くなった人の子供であることがわかる戸籍類も必要になります。

そして、亡くなった人から見て兄弟姉妹などが相続放棄する場合には、
亡くなった人の兄弟姉妹であることを、戸籍上証明する必要があるので、
同じ両親の子供であることのわかる戸籍類も必要になります。

相続放棄のための書類を家庭裁判所に提出して、不備がなければ、
家庭裁判所から、相続放棄申述受理証明書がもらえ、
相続放棄手続きが完了している証拠となります。

ただ、相続放棄の手続きを行ってしまいますと、
それを取り消すことが原則できないので、
相続放棄をするかどうかについては、よく考えて行う必要があります。

そして、相続放棄をする場合には、
自分が相続放棄をした後、
相続権がどのように移っていくのかも、知っておくことが大事です。

自分だけが相続放棄して、
借金等の債務から逃れたとしても、
その後、思わぬ人に相続権が移ってしまい困ることもあるからです。

たとえば、自分が相続放棄することで、
自分の甥や姪が最終的に相続人になり、
相続放棄を考えなければならない事態になることもあります。

なぜなら、相続の流れは、
子供、両親や祖父母、兄弟姉妹、甥姪
という順番で相続権が移っていくからです。

もし、亡くなった人の子供が、全員相続放棄手続きを行えば、
次には、祖父母など直系尊属の生存している人へ相続権が移ります。

もし、亡くなった人の直系の先祖が全員亡くなっていれば、
次に、亡くなった人の兄弟姉妹へと相続権が移ります。

そして、兄弟姉妹の内で亡くなっている人がいれば、
その子供(甥姪)に相続権が移ります。

つまり、亡くなった人の兄弟姉妹や甥姪が、
最終的に、亡くなった人の債務を背負うことになってしまうということです。

つまり、自分だけが、相続放棄手続きを済ませて安心していても、
後々、親族とのトラブルになってしまわないように、
配慮しておくことも必要ということです。

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