亡くなった人から見て、子供や孫が相続する場合でも、
兄弟姉妹や、甥、姪にあたる人が相続する場合であっても、
法定相続人のなかには、未成年者がいる場合もよくあります。

未成年者が相続人の時には、
両親(親権者)が、法定代理人となります。

親権者がいない時には、
後見人が法定代理人となります。

そして、亡くなった人の相続手続きでは、
相続人の住所、氏名を自筆で記入する場合や、
実印を押さなければならないことがあります。

たとえば、亡くなった人の銀行預金の相続時には、
銀行専用の相続手続き用紙に、
法定相続人全員の住所、氏名、実印が必要となります。

株などの証券会社の相続手続きであっても、銀行と基本的に同じで、
土地や建物、マンション、普通自動車や軽自動車の相続手続きでも、
遺産分割協議書や、遺産分割協議証明書といった形で、
法定相続人全員の住所、氏名、実印が必要になります。

そして、遺産分割協議では、その内容について、
両親などの親権者が、未成年者に代理して相続の意思を示すことになります。

つまり、未成年者の法定代理人として、
親権者や後見人が、
遺産分割協議書に、住所、氏名、実印を押すことになるのです。

なお、遺産分割協議書はもちろんですが、
銀行や証券、不動産の各種の相続手続きでは、
法定相続人全員の印鑑証明書も、基本的に提出が必要となります。

そのため、未成年者がいる場合には、
法定代理人の印鑑証明書も提出することになるのです。

また、未成年者が法定相続人の場合には、
親権者や後見人が、法定代理人として代理できるのですが、
法定代理人も、同じ法定相続人の時には、代理できなくなります。

つまり、未成年者とその法定代理人が、
共に、亡くなった人の法定相続人になる場合です。

この場合には、利益がぶつかります(利益相反)ので、
未成年者を代理できないのです。

たとえば、亡くなった人の子供が、未成年で法定相続人になっていて、
亡くなった人の配偶者も同じ法定相続人の場合には、
配偶者(親権者)は、未成年の子供を代理できないということです。

同じ相続で、自分の相続分と、
未成年者の相続分を決めるのは良くないからです。

そういった場合には、
特別代理人を選任しなければなりません。

この特別代理人の選任については、
家庭裁判所に申し立てなければならない手続きとなっています。

特別代理人は、兄弟姉妹や叔父叔母さんなどに頼むことが多いようですが、
もちろん、同じ法定相続人ではない人に限ります。

兄弟姉妹でも、同じ法定相続人であれば、利益相反となり、
未成年者を代理することができないからです。

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