マンションの遺産相続手続き(相続登記)は、
一戸建ての家屋の遺産相続手続き(相続登記)とはかなり違います。
基本的な登記内容については、ほとんど同じなのですが、
マンション特有の登記内容があります。
不動産登記法上では、
マンションは区分建物とされていますので、
専門用語的には、区分建物の登記となります。
そして、一戸建ての家屋と同様に、
マンションについても、
その所有者が亡くなれば、相続登記をすることになります。
売却予定であったとしても、買主名義に変更する前に、
亡くなった所有者から、一度はかならず、
相続人の誰かの名義に変更しなければなりません。
この相続人の誰かに名義変更をすることを、
相続登記と呼んでいます。
この相続登記の手続きを飛ばして、
買主にいきなり名義変更をしてはどうかと思う人もいるかもしれませんが、
亡くなった人から買主に売却することはできないので、
手続き的にも、一度は相続登記を行う必要があるのです。
そして、マンションには、専有部分と共用部分というものがあります。
専有部分とは、一般的には各部屋のことを言います。
共用部分とは、マンション管理のための集会所や、
建物構造の駐車場、ポンプ室、
各階の廊下などのことを言います。
専有部分については、何階部分、居宅、床面積、
所有者が登記されているので、相続が発生した段階で、
必要な書類を収集したり作成して、
亡くなった所有者名義を相続人名義に変更することになります。
マンションの登記では、
共用部分についても登記されているものがあります。
つまり、共用部分であっても、専有部分(各部屋)の所有者が、
持分(何分の何)として、所有者になっていることがあるということです。
相続の登記を進める上で、意外と抜かりやすい部分なので、
細かくチェックする必要があります。
なぜなら、専有部分のみを相続登記を済ませて安心していても、
売却時などになって、共用部分の持分の相続を忘れていたことに気づくと、
その時に再度、相続登記をしなければならなくなってしまうからです。
その時には、再度、相続登記の申請書の作成が必要となり、
マンションの評価証明書などの必要添付書類も、
すべて集め直しになってしまいます。
ちなみに、共用部分について、登記がされている可能性があるのは、
集会所や、建物になっている駐車場、
ポンプ室などです。
各階の廊下については、
普通は登記はされていません。
つまり、マンション内に集会所や駐車場、ポンプ室があれば、
それらも普通は各部屋(専有部分)の所有者の共有で、
登記されていることが多いので、
そのつもりで最初の登記情報の調査をした方が良いでしょう。
共有とは、持分(100分の1など)で登記されているものを呼びます。