亡くなった人に子供や孫など直系卑属がいない場合には、
相続権は両親へ移ります。
ただ、両親や祖父母など直系尊属も全員亡くなっていた場合には、
兄弟姉妹へと相続権が移ります。
また、兄弟姉妹の相続を進める上で、直系卑属と直系尊属という用語も、
知っておいた方が良いでしょう。
直系卑属とは、亡くなった人から見て子供、孫、ひ孫・・・のことです。
直系尊属とは、亡くなった人から見て両親、祖父母、曾祖父母・・のことです。
そして、兄弟姉妹が相続人になる時の相続では、
子供や孫が相続人になる時の相続と比べて、
遺産相続の手続きに必要とされる戸籍や除籍などが、
かなりの広範囲に広がります。
亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になる場合の、
遺産相続に必要な戸籍謄本等の範囲としましては、
・亡くなった人の出生から亡くなるまでのすべての戸籍謄本等
・亡くなった人のご両親の出生から亡くなるまでのすべての戸籍謄本等
・亡くなった人の兄弟姉妹の戸籍謄本等
となります。
上記の戸籍謄本等とは、戸籍の謄本だけでなく、
除籍の謄本、原戸籍の謄本もすべて含みます。
ただ、上記はあくまで基本的に必要な範囲ですので、
もし、亡くなった人のご両親が明治後半生まれや、大正生まれの場合には、
亡くなった人の祖父母の亡くなっていることのわかる除籍謄本や、
原戸籍も必要になる場合があります。
この判断基準と致しましては、
生年月日が明治30年代であれば、生存している可能性があるので、
亡くなっていることを証明するために、
亡くなっていることのわかる除籍謄本か原戸籍が必要になるということです。
もし、相続に必要な戸籍や除籍の謄本類がよくわからないという相続人の方なら、
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なお、兄弟姉妹が相続人になる時の戸籍に関してさらに注意点としましては、
もし、亡くなった人の兄弟姉妹も亡くなっている時です。
その場合には、その亡くなった兄弟姉妹の出生から亡くなるまでの
すべての戸籍謄本等も必要になってくる点です。
そして、兄弟姉妹の亡くなった時期(日付)によっても、
取得の必要な戸籍の範囲が変わってくるのです。
というのは、もし、亡くなった人よりも前に、
兄弟姉妹の方が亡くなっていれば、
兄弟姉妹の子供のみが相続人となります。
これを代襲相続と呼んでいます。
逆に、亡くなった人よりも後で、
兄弟姉妹の方が亡くなっていれば、
亡くなった兄弟姉妹の配偶者と子供が相続人となります。
これを数次相続と呼んでいます。
兄弟姉妹が相続人になる場合で、亡くなっている兄弟姉妹がいる場合には、
代襲相続もあるのか、
それとも数次相続にならないかなどにも注意が必要になります。
それによって、収集すべき戸籍謄本等の範囲も異なってくるからです。
遺産相続の手続きは、銀行の預貯金であったり、
株などの有価証券であったり、
土地やマンションなどの不動産であったりしますが、
上記の必要な戸籍謄本等の内、1つでも足りなければ、
どの遺産相続の手続きも完了することができない点にも注意が必要です。