相続税の申告には、
被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に、
申告書を税務署に提出しなければならないという期限があります。

ただ、10ヶ月間という猶予がありますので、
その間に、相続税の申告のための準備を進めることになります。

それではまず、相続税の申告のための大まかな流れとしましては、

① 亡くなった人の戸籍を調べて法定相続人を特定する。

② 亡くなった人の遺産、負債のすべてを調べる。

③ 相続放棄をする人は、亡くなった日から3ヶ月以内にしておく。

④ 遺産分割の話し合いをして、まとめる。

⑤ 被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に、相続税の申告をする。

以上のような流れとなります。

まず、①の亡くなった人の戸籍を調べて、
法定相続人を特定する作業については、
一番初めに、できるだけ早い時期にしておくべきことです。

なぜなら、亡くなった人に子供がいれば、
集める戸籍の数もそれほど多くはないのですが、
もし、子供がいなければ、亡くなった人の両親の戸籍も必要になるからです。

そして、さらに、亡くなった人の両親や祖父母も亡くなっていれば、
亡くなった人の兄弟や姉妹、
場合によっては、甥や姪の戸籍についても必要なこともあります。

そうなってくると、戸籍の収集作業だけでも、
意外と時間がかかることになり、その作業だけでも、
数か月もの時間がかかってしまうこともよくあることだからです。

次に、②の亡くなった人の遺産と負債のすべてを調べます。
この作業については、
①の亡くなった人の戸籍の収集作業と、同時に進めることをお勧めします。

まず、亡くなった人の遺品から、銀行預金の通帳を探します、
そしてもし、株や投資信託もしていたなら、証券会社からの取引報告書、
不動産を所有していたなら、その登記情報や権利証を手元に用意します。

その後、株や投資信託については、その評価額を、
不動産についても、評価証明書を役所から取得して、
その評価額を出しておきます。

なお、不動産の評価証明書については、
市町村の固定資産税の係りで取得できるものです。

ただ、不動産の評価証明書を取得するためには、
亡くなった人の戸籍と、相続人の戸籍が必要となりますので、
それらの戸籍がそろった段階で、評価証明書を取得する流れになります。

また、土地については、市町村の評価額ではなく、
路線価から計算した評価額を出して、
相続税の計算で使用することになります。

そのため、土地に接している道路の路線価を調べて、
その路線価格から、
土地の評価額を導き出すのです。

次に、負債については、その額と資料を用意して、
負債の総合計を計算しておきます。

最後に、すべての遺産の総額から、負債のすべてを差し引いた金額が、
相続税の基礎控除3000万円+(法定相続人の数×600万円)
より少なければ、相続税はかからないことになり、
相続税の申告もする必要がなくなります。

ちなみに、③の相続放棄をする人がいた場合でも、
相続税の基礎控除の計算式にでてくる法定相続人の数が、
減るわけではありません。

なぜなら、相続税の基礎控除を計算する場合には、
実際に遺産を相続する人の数ではなく、
一番最初に、法定相続人となっている人の数で計算するからです。

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