遺産分割協議書とは、被相続人(亡くなった人)の遺産について、
相続人がどういう風に分けるかを、書面で明示したものです。

形式が整った遺産分割協議書が作成できれば、
その内容に基づいた内容で、亡くなった人の銀行預金や、
株、株式、証券などの相続手続きはもちろん、
土地や家屋、マンションといった不動産まで、
相続手続きを済ますことができるようになります。

ただ、遺産分割協議書を作成する前には、
法定相続人全員の協議がまとまっていることが前提となります。

なぜなら、協議書には、法定相続人全員の自筆による住所、氏名、
実印の押印が必要だからです。

そして、遺産分割協議書の書き方としては、
特に決まった様式といったものはありません。

ただ、少なくとも記載しなければならないことと、
そろっていなければならない形式はあります。

少なくとも記載しなければならないことと、
そろっていなければならない形式とは、

①被相続人について、氏名、本籍、亡くなった日を記載

②それぞれの遺産をはっきりと記載して、それを取得する人を記載

③協議書が完成した日付

④法定相続人全員の自筆による住所、氏名

⑤法定相続人全員の実印の押印と印鑑証明書

です。

つまり、法定相続人の1人の署名が無かったり、
誰かひとりの印鑑証明書が無かったりすると、
遺産分割協議書としては成立していない、ということになります。

そして、遺産分割協議書の作成の途中や署名押印をもらっている最中に、
協議内容について異論が出ないように、
協議の時点でしっかりと遺産分割内容を話し合うことが必要です。

相続人の内1人でも、遺産分割協議書に署名や押印をもらえなくなると、
その協議書は未完成ですので、銀行や株、
不動産などの相続手続きでは使えないことになるからです。

もし、法定相続人が10人以上と多くいたとしても、
1人も抜かることなく、全員の署名と押印と印鑑証明書が必要です。

人数が多くても、全員が同意しているということを、
書面で証明する必要があるからです。

もし、亡くなった人の銀行預金の数が多い時や、
土地や家屋などの不動産の数が多い時、
法定相続人の数が多い時などで、
用紙1枚の遺産分割協議書に記載しきれない場合には、
数枚つづりの遺産分割協議書になってもかまいません。

ただ、それぞれの用紙には、
法定相続人全員の割り印が必要になります。

相続人が多い場合や、協議書自体が数枚になって割り印が大変な場合は、
遺産分割協議書の書き方として、A4サイズの用紙ではなくて、
A3サイズの用紙で作成して1枚で済ますという方法もあります。

遺産分割協議書が数枚におよぶ場合には、
かならず法定相続人全員の割り印がなければなりません。
割り印が無ければ、一体の協議書とみなされないからです。

もし、亡くなった人の遺産が不動産だけであれば、
遺産分割協議書の形式の代わりに、
遺産分割協議証明書を作成するという方法もあります。

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